１９３０年代のドイツ軍は４輪の中型トラックにはあまり興味はなかったようです。この当時、６
輪のトラック開発を積極的に行っていました。６輪車の有利な点は、４輪車の前輪駆動のよう
な複雑な機構を必要としないこと、ボディが大柄なため取り付けに易しかったこと、などが上げ
られます。不利な点は、タイヤが沢山必要とされたことです。

　中型トラック４輪車の４輪駆動の生産が軌道に乗ると、その優れた機動力が輸送の需要にマ
ッチしていることが判明し、オペル社が主要メーカーになりました。

ドイツ・オペルとドイツ・フォードの数奇な運命

　アダム・オペルにより創立されたオペル社は、最初ミシンメーカーで、その後自転車の製造を
手掛けました。自動車部門の設立は１８９８年で、第一次世界大戦後の不況やアメリカ資本の
脅威を経て、１９２９年に米国のＧＭ（ゼネラルモーターズ社）に買収されてしまいました。

この買収により、豊富な米国資本を利用し、設備の最新鋭化や製造ノウハウを享受し、小型
車の開発に乗り出します。第二次世界大戦が始まると、ドイツ政府は自動車生産を民需から
軍需関連への転換を最後通牒つきで通告されます。しかし、オペル社の親会社であるＧＭは、
この要求をきっぱりと拒否し、これが契機になり、ＧＭはオペル社とその生産設備を放棄しま
す。そして結局はＧＭはオペル社から完全に手を引くようになりました。しかし、ドイツ政府は、
オペル社を敵国の米国資本の会社であるとして信用せずに、最高機密に関連した兵器の生
産工場には指定せずに、トラックの生産を指示します。そんなわけで、オペル社はトラックばか
りを生産させられ、汎用トラックとして、オペル・ブリｯツを生み出します。ブリッツは兵員輸送
車、救急車、野戦炊事車、消防車などさまざまなバリエーションがありました。

　１９４３年の戦況悪化と共に燃料不足が起き、木炭ガス発生炉付きブリッツや、１９４４年には
かのメルセデスベンツのマンハイム工場が、オペルブリッツの生産をライセンス生産していま
す。

　ドイツ・フォード社もオペル社と似た理由で、中型トラックの主要なメーカーとなっていき、トラ
ック生産に貢献しました。Ｇで始まる各タイプがありますが、外見上の違いは、グリル形状でし
た。

■剣道の防具面タイプ　Ｇ９１７，Ｇ９９７

■上下分割上部グリル無しタイプ　Ｇ１８８，Ｇ１９８

■上下分割上部グリル付きタイプ　Ｇ３９８

表記方法は、次の通り。

（一行目）　メーカー名と型式

（二行目）　空欄

（三行目）　分類名，○輪車×■輪駆動

（四行目）　エンジンの○気筒，馬力，変速機，ホイールベースの軸間距離，

　　　　　　　全長×全幅×全高，車体重量

（五行目）　特徴や特記事項など